桁指定・丸め計算スイッチ

累積誤差を調べてみました。


 2000円以上で買える電卓をよく見ると、写真のようなスライドスイッチがついていることがあります。

F_CUT_UP_5/4
4_3_2_1_0_ADD2


 という表示が一般的です。前者は、丸め計算。指定された小数点以下の桁数を、
F=何もしない
CUT=切り捨て
UP=切り上げ
5/4=四捨五入

 を指定するスイッチです。

 後者は小数点以下何桁に指定するスイッチです。0にすると、1以下の数値の丸め計算になります。

(※ADD2については別の機会で取り上げます。)

 丸め計算をしたいときには、
F以外のスイッチに入れておかないと、小数点以下桁指定スイッチを入れても作動しません。

 ところで、電卓の小数点以下の有効桁数は、12桁の電卓の場合は、次の計算式での求められます。

12−整数の表示桁=有効桁数

 小数点の位置が、整数の桁数で、動くことから、
浮動小数点方式と呼ばれています。

 電卓が登場した頃は、整数の桁と、小数の桁を固定する固定小数点方式も存在しました。例を挙げると、12桁の電卓の場合、2に指定すると、答が10桁を超えるとエラーになってしまいます。

 現在売られている電卓で固定小数点方式は売られていません。

 また、小数点以下の数字が、その桁を指定しないで計算した場合、有効桁数をはみ出した場合、すべて切り捨てられる処理をします。

 1÷3×3が1にならないという現象はこのためです。

 この丸め計算スイッチは、切り捨て誤差を減らそうという目的、有効桁数での端数処理に用いることが出来ます。

 主な利用法は
パーセントの合計、複利計算など使えます。

 四捨五入などを使って連続計算すると、当然、誤差が累積していきます。今回は、誤差がどれぐらい出るのか、試してみました。

 √2を1回掛け合わせると、
√2×√2=2になります。

 これを小数点以下のスイッチを2に指定して、四捨五入、切り上げ、切り捨てでどう答が変わるか計算してみました。

 

√2の累乗を求める
使用電卓 カシオ DF−320 小数点2桁以下は丸め計算。

回数 四捨五入 切り上げ 切り捨て 真値 四捨五入 切り上げ 切り捨て
1 2.00 2.00 1.99 2 0.00 0.00 -0.01
2 2.83 2.83 2.81        
3 4.00 4.01 3.97 4 0.00 0.01 -0.03
4 5.66 5.67 5.61        
5 8.00 8.02 7.93 8 0.00 0.02 -0.07
6 11.31 11.35 11.21        
7 15.99 16.06 15.85 16 -0.01 0.06 -0.15
8 22.61 22.72 22.41        
9 31.98 32.13 31.69 32 -0.02 0.13 -0.31
10 45.23 45.44 44.81        
11 63.96 64.27 63.37 64 -0.04 0.27 -0.63
12 90.45 90.90 89.61        
13 127.92 128.56 126.72 128 -0.08 0.56 -1.28
14 180.91 181.82 179.20        
15 255.85 257.14 253.42 256 -0.15 1.14 -2.58
16 361.83 363.65 358.39        
17 511.70 514.28 506.83 512 -0.30 2.28 -5.17
18 723.65 727.31 716.76        
19 1023.40 1028.58 1013.65 1024 -0.60 4.58 -10.35
20 1447.31 1454.64 1433.51        
21 2046.81 2057.18 2027.28 2048 -1.19 9.18 -20.72
22 2894.63 2909.30 2867.00        
23 4093.63 4114.38 4054.55 4096 -2.37 18.38 -41.45
24 5789.27 5818.62 5733.99        
25 8187.26 8228.78 8109.08 8192 -4.74 36.78 -82.92
26 11578.53 11637.26 11467.97        
27 16374.51 16457.57 16218.15 16384 -9.49 73.57 -165.85
28 23157.05 23274.52 22935.92        
29 32749.01 32915.15 32436.28 32768 -18.99 147.15 -331.72
30 46314.09 46549.06 45871.82        
31 65498.01 65830.32 64872.54 65536 -37.99 294.32 -663.46

 

 

 表の右側は、真値との誤差を表しています。計算が2回おきに、2の倍数になるために、その部分の誤差を表示しています。
 
 四捨五入で計算した場合、5回目の8は、正確にでます。ただし、次の7回目の答え16から、答が真の値より減少していきます。

 切り上げで計算した場合は、回数を重ねるごとに誤差が累積していきます。切り捨ての場合の誤差は、回を重ねるごとに大きくなっていきます。
 グラフにしたのが下の表です。

 回数が進むごとに、誤差が広がりが大きくなっていきます。

 このように電卓で計算するとき、特に小数点になる、除算などには、誤差がつきまとっています。


2005,12,24

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