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2012-06-17

【古電卓】キヤノン Canola L121

 1960年代の電卓と思い入手したキヤノンの古電卓《キヤノーラL121》。詳細を調べると1970(昭和45)年発売された電卓であった。12桁1メモリの電卓。まずは外観を示す。

Canolal121
【写真】CANON Canola L121(1970)

 表示にニキシー管(放電管)を用いている。真空したガラス管に数字などをかたどった管に放電させ、数字を光らせて表示する。拡大した写真を挙げる。

Canolal121_2
【写真】ニキシー管を使った表示部

 ニキシー管は蛍光管そして液晶表示に代替された、《絶滅した》デバイスである。寿命が来れば在庫品を探すのみである。今となっては懐古趣味もしくは昭和を懐かしむ光だと思われる。

 この電卓のキー配置が興味深い。現行品のキヤノン電卓と違う部分に説明文を入れた写真を挙げる。

Canolal121_1_2

【写真】各機能の紹介→原寸表示

【現行電卓と違う点】
 1)固定小数点方式・・・小数点桁指定ダイヤルで指定 0,2,4,6。
  0にセットすると12桁の整数計算ができる。
  2にセットすると10桁+小数点2桁の計算。
  4にセットすると 8桁+小数点4桁の計算。
  6にセットすると 6桁+小数点6桁の計算。
 2)電源投入時の表示
 現在の電卓は電源を投入すると0.を表示する。1970年前半ごろの電卓は、すべて0が点灯される。不要な0を点灯しない《ゼロ・サプレス》機能は1972年あたりから登場する。この電卓はすべて0を点灯させる。

000000000000
【写真】電源投入後の表示~ゼロ・サプレス未装備モデルとわかる。

 3)加算器式・・・初期の電卓は加算器式であった。キーを見てみよう。

Canolal1213

【写真】加減算キー

 黒加算減算に使用する。操作はこのようにする。
 1+1    1= 1=
 2-1    2= 1
 1+2-3  1= 2= 3

 当時はこれが主流であった。乗除算はを押して答えを求める。

 4)0での除算の処理・・・・オール0と小数点が点灯する。
 たとえば小数点桁指定ダイヤルを0に合わせ、12桁の整数計算状態にしたうえで、0での除算を実行すると、
  00000000000.0
 と表示し演算停止する。
 桁指定以外の部分に0と小数点を表示させて0除算エラーを示している。
 5)定数計算・・・・スイッチにより乗除算のみ。
 定数計算選択スイッチをKに合わせると、乗除算のみ定数計算する。
 たとえば、8の逆数は、8 = =と操作する。
 6)概算計算(オーバフロー)・・・上位桁切捨て。
 現行電卓のオーバフロー処理は、下位桁切り捨てである。この機種は上位桁切り捨てである。
 例:小数点桁指定4、答えが123,456,789.0000になった場合は、23456789.0000と←(オーバーフロー)ランプが点灯する。
 7)RVキー・・・・・X-Yレジスタ交換
 入力した数値を交換するキーである。簡単に言えば、最初に入力した数値と次に入力した数字の順番を変えるになる。RVキーはキヤノンの機種に時々登場している。現行品では見られない。
 8)メモリキー・・・・・メモリ表示なし。経年劣化でランプ切れと思い探してみたが見つからなかった。

 製造後40年以上経過した現在も正常に駆動する。たまに電源を入れて計算してみようと考えている。