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2014-02-14

【カシオ】プログラム関数電卓の言語

 電卓の収集を初めて約20年。購入、中古を譲ってもらったものなど多数。説明書も保存しているものもある。説明書は、製造者がどのような考えで作ったのか文字で残す知恵と技の結晶である。
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 現在手元に保管している、カシオプログラム関数電卓の説明書。
 fx-7400G PLUSはグラフ描画も可能である。この3冊、グラフ描画命令を除く、命令体系の基本機能は同じである。

 fx-5800Pプログラム活用術の大変詳細なウェブログ《e-Gadget - プログラム関数電卓》が掲載されている。ぜひご参照いただき、手軽ですぐにできあがって実行できるプログラム関数電卓に触れて欲しい。ここでは、要約してプログラム使用を記載する。

 ■プログラムの名称
 説明書によれば、《プログラム機能》。fx-5800P,生産完了品のfx-71Fのカタログなどによれば、《Basicライク》なの表現を記憶している。前述のウェブログでは、CasioBasicをつけている。
 ■共通基本仕様
 変数を使った数式。加算・減算計数または式による条件判断、ラベルを使ったジャンプ。
 極端な例においては、プログラムエリアに《1+1》を書き込んで、実行させるとを表示する。数字が入った数式を書いておいて、実行させてもそれで立派なプログラムとして実行する。
 答え表示に、▲(正確には二等辺三角形)書き込むと《Disp》等が表示され、実行が一時停止して、計算結果などを表示する。プログラム電卓で一時停止命令で良く用いられていた《HALT(HLT)》を、三角形に置き換えたものと考えられる。
 ■非共通基本仕様
 fx-5800P,fx-4800(4850)Pは、併存して売られていた時期があった。4行のドットマトリックスなど似ていた。ただし、この2つ、基本機能で大きく違う点がある。
 ・変数の代入
 例えば、Aに数値を代入せよの命令を書くと、
 ・fx-5800P  ?→A
 ・fx-4800P  {A}
 
fx-4800Pの説明書には、{変数}は、変数確定状態を解除と記され、変数には配列変数が使用不可となっている。A~Zメモリを一括で確定する命令があり、Fixmを書き込むと入力済みとして確定する。

 ■Basicライク命令の搭載の有無
 fx-4800Pは、fx-5800P,7400G Plusには備わっている、If~Then,For~Next等の命令は持たず、条件判断は、二等辺三角形の△,<>,≧,≦,≠,=,=>の演算子、記号を組み合わせて行う。分岐のIsz(加算計数)Dsz(減算計数)を用いる。なお、初のプログラムグラフ関数電卓fx-7000Gの命令体系を、ほぼ引き継いでいる。
 この条件判断の演算子と記号の組合せと加算、減算計数の分岐は、この記事作成時点の新鋭機fx-CG20でも使える。

 カシオの電卓は、アメリカの老舗ヒューレットパッカード社のRPN電卓と並んで
 世界中に売られている。世界中の人がカシオの電卓を使える環境にある。当然のことながら、CasioBasicは《ガラパゴス》(日本のみで発展した製品を揶揄する用語)とは違い、《世界標準》である。プログラミング教育にうってつけの教材である。
 残念ながら、肝心の日本では、カシオが教育用サイト立ち上げているにせよ、かつてシャープがポケコンを買うと、説明書の最後にポケコン友の会の案内があり、入会してプログラムを送るとプログラム集を送ってくるまで頁を割くほど、熱心さが失せているようである。本題から脱線するので、別記事にしたい。