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2012-08-09

【長崎原爆忌】遺す広島、壊す長崎。

 長崎への原爆投下から平成24年で67年を迎えた。被爆者の高齢化が進み、若い世代への被爆体験の伝承が重要になっている。

 被爆者の体験と等しく原爆の事実を伝える手段として《被爆遺構》が物語る。保存されそれを歴史の事実として語り継げる。

 広島と長崎、2都市の被爆地。大きく違う点がある。広島には被爆当時の遺構がかなり残っている。原水禁大会などに参加して広島を訪れ、市内の被爆遺構巡りに参加したさいに気づいた。世界遺産になった《原爆ドーム》など当時を物語るものが残っている。

 一方、長崎はどうであろうか。残っているのは、山王神社の被爆クスノキ、一本足鳥居、浦上天主堂の飛ばされた鐘楼など数えるほどである。
 救護所として使われた新興善小学校校舎、爆心地に近い山里小学校校舎も老朽化を理由に取り壊された。先日、平和公園のエスカレータ工事で見つかった当時の防空濠も一部を壊して建設された。

 遺す広島、壊す長崎と例えてよい。ものがあるのとないのでは伝え方も伝わり方も違う。忌まわしい記憶を消してしまう、平地が少ない都市の事情もあると思われる。

 爆心地に近い、城山小学校が文化庁より《文化財》として認定し、保存していく方針が示された。仮に何の動きもなければ、老朽化を理由に取り壊されたおそれもあった。文化財認定し保存して長崎の歴史の証人として後世に遺して欲しい。

 ものが有無、すべてか一部かの違いは、歴史を伝え方伝わり方にも捉え方が変わってくる。教会群の世界遺産申請には力を入れたように、遺された被爆遺構を世界遺産へ登録申請だし永久保存するような運動を起こして、《三度許すまじ原爆》を強くアピールする手段としていこう。長崎市長の英断を期待したい。