【カシオ関数電卓】メモリリコール(RCL)の仕様の違い
関数電卓マニアの部屋 平成19年10月 9日作成の記事に、
《関数電卓のバグ(メモリRCLとラストアンサーの競合)》の項目を注意深く読んでいた。
これはカシオ数式どおり入力関数電卓とその仕様を元に作った、他社の関数電卓で、次のような不具合が発生するという。
カシオ現行モデルの関数電卓は、メモリ(A-F,M,X,Y)に代入する9メモリタイプを装備している。また、計算結果を一時的に記憶しておくアンサーメモリAnsがある。前回の答えをそのまま次の計算に使う場合は、Ansキーを押せばよい。
※Mは一般電卓同じ独立メモリとしても機能する。以前はA-D,M,X,Yの7メモリタイプもあった。
記事によれば、次の計算をしたときに、期待通りの答えにならないという。引用すると、
1)1+1= ;1と1の加算 表示 2
2)STO A ;Aメモリに2を格納
3)2×3= ;2と3の乗算 表示 6
4)RCL A+1= ;Aメモリを呼び出し1を加える。
この手順なら、Aメモリに格納済の2に1を加えて、答えは3となる。これが、7と表示される関数電卓が存在する。
記事ではバグと結論づけている。2×3=6 それに1を加える演算をしていない。期待通りの答えを出していないから、バグそのもの。
RCL A と操作後、+1とすると、画面はAns+1と表示される。使用者は、Aメモリを呼び出した数値は一時記憶メモリAnsに記憶されたと誰もが認識する。
7と表示されるタイプは、Ansに記憶された数値は、格納したメモリの数値ではなく、前回計算された2×3の答え6が格納されている仕様。
わかりやすく言えば、
一時記憶Ansメモリは、
前回演算した答えが優先して記憶され、
RCLで呼び出した数値は無効。
になる。
もっとも、途中に計算をはさまずこの様にすると、RCLで呼び出したメモリの内容が格納される。
1)1+1= ;1と1の加算 表示 2
2)STO A ;Aメモリに2を格納
3)RCL A+1= ;Aメモリを呼び出し1を加える。
これだと、Aメモリに格納された2がAnsメモリに格納されそれに1を加えて3が表示される。
記事では、Aメモリで言及しているが、A-F,M,X,Yどれでも当てはまる。では、現在手元に保管しているカシオの数式どおり関数電卓で試した結果をあげる。
■7と表示される(前回演算結果が優先)
fx-290
fx-991W
fx-3650P
■3と表示される
fx-373ES
fx-82ES
fx-4800P
fx-5800P
メモリを使用しない計算だけなら、無視してよいバグ。ただ、メモリを呼び出した後、演算キーを操作するとAnsと表示され紛らわしい。特にfx-290は2000円以内で手に入る最新モデル。次回モデルでは完璧に修正してもらいたい。