危うく支えたその体で、 凍える虎は天を望む。 凍える虎は金の鉄格子の中に、 金色の鋼鉄の鎖に繋がれて、 自由を求める。 持てる力をふりしぼり、 空しく爪を立て、牙を立て、 足首には血が滲み、 太く鋭い牙、磨ぎ澄まされた爪は欠け、 凍える虎は空しく吠える。 凍える虎は横たわり、 輝ける目は光を失い、 金色の鋼鉄の鎖に繋がれて、 魂を失い、力を失い、 凍える虎は目を閉じる。 凍りついた魂は天に昇り、 そしていつか、このような小説が必要なくなることを心から願います。
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