2011-10-31

【BCL】ハイカラ節替え歌《遊撃隊行進曲》歌詞の解読法を考えてみる。

 小型短波ラジオ購入しBCLをかじった昭和58年頃、夜の北朝鮮日本語放送が終了した午前0時、ラジオをつけっぱなしにしていると、突然勇ましい音楽が流れ、朝鮮語の女性アナウンスが流れ、単調な何かを読む音声が15分以上。

 のちにこれは平成13年に廃止になった悪名高き(日本人拉致の指示にも使われたとも)暗号放送だったことをアマチュア無線家から聞いて知った。音楽もバリエーションがあったようで、その中で明治時代の《ハイカラ節》の替え歌《遊撃隊行進曲》の解読をしてみよう。日刊NANZO平成22年3月29日号の楽譜を示す。

  朝鮮語はさっぱりわからない。ただし、今はネット翻訳もある。試しにエキサイト翻訳にかけたら一部意味不明もある。漢字文化圏にあり、それを使用せずとも漢語は残っている。その部分だけ解読が可能である。

【全文翻訳結果】

友達ら準備しなさい手エッダでも武装帝国主義侵略者をテリョブシゴヨンジニョンジン進もう勇敢らしく億千万度死んでも敵をクチナシ(リフレーン)出て行くとすぐに決勝戦戦いに出て行くとすぐに遊撃戦で手でも武装をしっかりとらえて出て行く時に勇進勇進進もう勇敢らしく億千万度死んでも敵をクチナシ

私たちの隊長射撃号令一度叫ぶ時転貸友達狙い総を敬ってネズミ古書悪悪音叫びながらモルサギョクパラメジョクの軍事我を忘れてちょうど倒れる(リフレーン)

勢い合わせて勝利の叫び声たかだかと転貸友達武装奪い取ってまいてメゴソスンジョンゴに歩み合わせて歌を歌って肩踊りを全部踊って回ってオ姉(リフレーン)

腐っていく帝国主義たたいてはれて崩れたその根拠地に新しい地ならしをして人民の革命政権コンソラゴソブルグンギをひるがえってナ息子支え(リフレーン)

 この言語は分かち書きをしている。理由は音節文字が続き、日本語のように多種多様な文字を使って区別できるのと決定的に違う。
 漢語も音だけであるから同音異義語を区別できず、文脈から判定するか、代表的なものになる。

 北朝鮮のような独裁イデオロギー国家は、使う言葉も限定される。YouTubeで見ることができる楽曲の歌詞の大半が、金日成・金正日万歳称賛ばかり、BCLで日本語放送を聞いていた頃、よく使われていた漢語は、
・万歳
・祖国
・偉大

・親愛
・人民
・アメリカ帝国主義=美帝
・南朝鮮傀儡
一味は、
・共和国
・同志
・南半部(韓国のこと)
・統一
・日帝
・社会主義
・革命
・絶世
愛国者
・百戦百勝
・鋼鉄
霊将
・将軍
サマ
この世の楽園
・指導・指導者

・現地視察
・朝鮮人民軍・朝鮮労働党

・進歩的=北朝鮮に好意を持つ人々。
150日戦闘
・委員会

 このキーワード金日成・金正日を称える番組がいくらでもできた。その後、日本でも知られる漢語が、
・首領サマ
・主体(チュチェ)思想
・強盛大国
である。これを利用して、一覧表を作ってみた。

 エキサイト翻訳にかけた結果であり正しいとは保証しかねる。(韓国と北では若干漢字音が違う)強盛大国は出て来なかったのでWikipediaを参考に調べた。
 漢字に似て非なる字形。これから漢字の脚に当たる部分は、3つの記号で構成される文字は、L、¬、○、己、口多いかそれのみと判断される。漢語は2~4文字の先ほどの脚の法則をまずたよりに抜き出していく。それと一文、単語ごとにネット翻訳にかけて漢語だと推定した部分は次の通り。

 
 遊撃隊というくらいだから、戦いか物騒な内容と判断できる。撃てだの戦えだの、革命政権を作るなど、穏やかなでない。

 韓国・北をやじりたい勢力もいる。ならばその言語を覚え、自分たちの主張を通していくのも必須かと考える。こういうお国柄と理解する寛容さもいる。

2011-10-25

【BCL】CRI開局70周年によせて

 中国国際放送局(CRI)は、昭和16年12月3日延安で産声をあげて70周年を迎える。
 日中戦争に明け暮れていたさなか、日本軍向けの放送として開始、途中中古のソ連製の送信機の故障で停波。その後復活して現在に至る。中国共産党の最初の放送局・同時に外国語放送が日本語である。


http://japanese.cri.cn/

 CRIの日本語放送を最初に聞いたのは《北京放送局》の呼称であった昭和49年。この年、コンパクトカセットテープレコーダつきのラジカセが我が家に入った。ラジカセで音楽を聞き、ラジオ放送を録音したり、自分の声を入れ、時にはテレビ放送をテープに《録音》していた。家庭用録画機器が一般に普及する前は、音でテレビ番組を記録する方法をとっていた。

 北部九州は大陸に近く、中国、韓国、北朝鮮の放送がAMラジオのダイアルを回すとNHK・民放ラジオよりそちらがよく入感した。派手なマーチ、堅苦しいしゃべり方の朝鮮語が聞こえたかと思っていたところに飛び込んだのが北京放送だった。

 中国語の合唱に日本語。そのような番組が続いたのを聞き、民放ラジオにダイアルを回した。その後、何度かその放送を聞いた。

 北京放送をよく聞くようになったのは昭和56年。学校の同級生が中国へ短期交流で行って報告会を行ない、BCLを盛んにしていたといってからになる。彼は韓国KBS国際放送《玄界灘に立つ虹》のファンで何度も手紙を出して紹介されていたという。その次は北京放送でよくそれらの受信証明書(ベリカード)を見せてもらった。

 AMラジオだけで日本語の放送を手軽に聞くことができたのは、CRIとKBSだった。北朝鮮の日本語のAM放送は妨害電波で聞き取りづらかった。日本の音楽とは違った雰囲気で興味を持って聞いていた。
 CRIに受信報告書を何度も出すと、ベリカードのほか、お礼に切り絵細工、年末には翌年のカレンダーを送ってきた。○曜日が中国では星期○になっていたのに同じ漢字を使って用法が違うのかと驚いたこともあった。

 BCLに熱も冷めても、時折聞いていた。経済が豊かになるにつれ放送内容もお固い政治色から友好、娯楽性の比率が上がってきた。今はラジオを用意しなくとも高音質のストリーミング配信が聞ける。だとしても、海の向こうから飛んでくる電波を受信するのは、外国はどんな放送をしているのか好奇心も湧いてくる。これからも永く放送を続けていただきたいものだ。


 今年(平成23年)の中国は、
 ・辛亥革命から100年
 ・中国共産党創建90年
 ・日中国交正常化40年

の節目に当たる。辛亥革命100年のイベントとして《孫文・梅屋庄吉と長崎》が平成24年3月25日まで長崎歴史文化博物館で開催されている。

http://www.nmhc.jp/sonbun/index.html

 日本と中国の関係は長い。尖閣諸島の領土問題など懸案事項を抱えている。お互い考え方の違いを認めた上で、知恵を出し合い、アジア諸国の平和安定を実現して欲しい。いがみ合い、怒りだけでは何も生み出さず、暴力と破壊、恐怖と貧困に支配された強者の論理だけがまかり通る関係だけが待っている。