カシオプログラム関数電卓《fx-5800P》。手軽に数式と手順を記憶させる小型の計算機は同社製のグラフィック関数電卓と、このfx-5800Pのモデルのみ。特に、スプレッドシート(表計算)の充実は、通常使用する範囲であれば、プログラムは不要になった。手順を考え、コーディングなどを踏まずにすぐにグラフ、計算がたちどころにはじき出してくれる。
この電卓。記憶容量が28500バイトもある。複素数、変数メモリの増設をしなければ、ファイル名とプログラムソースの組み合わせにすべて使える。つまりファイル登録件数は容量の範囲内となる。
これだけ容量があるのだから、以前、カード型電卓の形をして、電話番号などを記憶できた電子メモがあった。その使い方をしてみることにした。
fx-5800がプログラムソースに使える文字は数字、アルファベット大文字、一部の記号、log sinなどの関数がある。残念ながらeメールアドレス用の@は入れられない。それを踏まえて電子メモ化する。
【新規メモ入力】
MODE→1:PROG→1:NEW
File Name?[ ]
が表示されたら12文字までの英数字を入力してEXEを押す。File Modeは1:COMPを選ぶ。
16文字×4行のディスプレイ。計算式、条件式と処理させないために、《”文字列”》とする。これは表示させたときに、文字が画面から溢れだして消えるのを防ぐために役立つ。例示する。
(例)
"NANZO COMPANY"(CR)←改行マークが入る
"03-9999-1234"(CR)
"CEO"(CR)
"SHUNSUKE TODO"
文字が溢れでない範囲なら《:》をつなげることもできる。
(例)
"NANZO COMPANY":"03-9999-1234":"CEO":"SHUNSUKE TODO"
5行以上必要な時または4行でも桁あふれが生じて行が画面の外にスクロールされる場合は、4行目の終端に、《▲》(実機では二等辺三角形の形)を入力しておく。
1件入力終了したら、MODEを押し5:PROG以外のモードを選択する。通常は1:COMP。次の入力以降はまたこの手順を繰り返せば良い。
【メモデータ表示・検索】
登録したファイル内容を表示するときは、FILEキーを押す。カーソルキーで任意のファイルを選びEXE。これで内容が表示される。5行以上表示がある時は、先ほど《▲》を入力していれば、画面にDispが点灯している。EXEを押せば次の画面が見られる。
”文字列”にしなくても表示はできる。ただし、英数字は関数電卓では、数値を入れる変数として扱われる。ABCはA×B×Cの演算結果が表示される。電話番号は、《ー》をいれていると減算処理され表示される。場合によってはエラー表示まででるので、必ず”文字列”と入力しておく。
検索はFILEを押し、Prog Listを表示中に頭文字の英数字を1文字を入れて行う。Aと押すとAで始まるファイル名リストが出てくる。カーソルキーで選択して表示させる。
【メモ訂正・削除】
内容の訂正は、
MODE→1:PROG→3:EDIT
の順で操作する。Prog Listが表示されるので、訂正したいファイル名をカーソルキーで選びEXEを押す。この時、検索の方法で行った頭文字1文字で探すこともできる。終了したら、MODEを押し5:PROG以外のモードを選択する。通常は1:COMP。次の入力以降はまたこの手順を繰り返せば良い。
ファイル名の変更は、FILEを押し、Prog Listが表示されたら、任意のファイル名にカーソルキーを使って合わせ、FUNCTIONキーを押し、2:Renameを選択する。 あとは変更するファイル名を入力してEXEを押せば完了。
ファイルの削除は、全件削除と1件削除の2通り。
MODE→1:PROG→4:DELETE
1:One File(1件)
2:All Files(全件)
1件削除はProg Listが表示された後、削除したいファイル名をカーソルキーで選びEXEを押す。この時、検索の方法で行った頭文字1文字で探すこともできる。終了したら、MODEを押し5:PROG以外のモードを選択する。通常は1:COMP。次の入力以降はまたこの手順を繰り返せば良い。
全件削除は、
1:Yes[EXE]
2:N o[EXIT]
の選択肢がある、いずれの方法でも消してしまえば戻らないので注意が必要だ。
アイディア次第でおもしろい電子メモ帳が出来上がる。計算式を入れると計算までしてくれる。眠っているプログラム関数電卓でこの様なファイル管理方式があったら計算機能付き電子メモ帳してみよう。
(注)20年以上前販売されたカシオの関数電卓(型番失念)のあるモデルは、電話番号を記憶できる電子メモ帳機能が搭載されていた。