« 【電子文具】ASUS Eee Note EA800 | メイン | 【漢字学習】漢字筆順バラエティ番組について考える »

2013-02-01

【テレビ】テレビ60周年。どうにか迎えた還暦。

 テレビと言えば戦後の技術と豊かさの象徴。昭和28年(1953)の放送開始から60周年。還暦を迎えた。NHKが日本テレビと共同番組を放送してお祭り気分になっている。
 この60年テレビはお茶の間の中心から個人所有画質は白黒、カラー、ハイビジョン。機能は音声多重、字幕放送、データ放送。双方向へと技術は格段に進歩した。
Photo
【写真】NHKテレビ60周年ロゴ。《これからも》はあるのだろうか。

 肝心の中身となるとどうだっただろう。敢えて不適切用語を使うが《一億総白痴化》なる言葉が生まれるほど、抜群の伝達力は考える力ないし想像力の豊かさを減退させた。ネットワーク上の《某国政府の国民洗脳機関》と表現を変えて皮肉られている。
 多チャンネルかつ主流が情報通信に移り、受けるだけから、発信する手段へ変貌した。YouTube、Ustreamなどの隆盛は、情報端末機さえあれば、いつでもどこでも誰でも《放送局》をこしらえることができる。いままでだと、大がかりな装置と免許が必要であった。
  60年来電波を出してきた既存のテレビ局は、ジャニーズ・吉本興業・ホリプロなどの寡占状態のプロダクションが芸能人・芸人を派遣させ、座談会、無茶無謀 な挑戦、高学歴を自慢、個人の欠点を取り上げみんなで揶揄するなどを長時間の特別番組ばかり垂れ流している状態である。その番組の時間を稼ぎをするために、進行の度にCMを入れいたずらに延伸している。1時間で終わってもいい番組が2時間3時間となってしまっている。
 商業放送のかつての広告主もインターネットにほぼ移行してしまい、いわゆる健康食品の通信販売がいかにも健康情報番組を装って流されている。同じ広告が執拗に流され、ネット右翼が売国放送局とご覧になってネットで喚く以前に、《頽廃・陳腐化》した媒体になってしまった。
  紙媒体がラジオとフィルムを用いた映画になり、それがテレビから情報通信へと媒体は大きく変わってきた。ラジオと紙媒体はこれからも残っていくだろう。簡素、手軽はどんなに時代が変わろうが生活の一部となる。さてテレビはとなる。過去の資産を保管・提供する《書庫》として承継する。NHKも災害報道などの 部門を残して、いずれ番組は情報端末に融合、いやテレビジョン受像機はデジタルテレビの登場でそれに移行した。
Photo_2
【写真】Twitterなどのサービスを融合し、双方向を狙ってはいるが。
    NHK総合、平成25年 2月 1日のデータ放送画面から。

 還暦をどうにか迎えたテレビ。10年先の70周年は、東京にあったテレビ局は別の事業体に移行もしくは消滅して、70年前のきょうは旧方式のテレビが生まれた日と、パソコン、スマートフォンでみているかもしれない。

日刊NANZO
平成25年 2月 1日号より