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2013-09-26

【ワープロの日】35周年記念~日本語作成の機械化の先に

 ワープロと言えば今はパソコンかタブレットPC。専用機が販売中止になり10年。テープライタ、はがき専用プリンタなど電子文具に姿を変えて残っている。
 9月26日は、35年前の昭和53年、東芝から初の商用ワープロが発表された。試作機段階まであげれば、シャープが前年ビジネスシヨウで展示していた書院が最初とされる。
 日本語処理が当時の計算機の能力では重すぎたこともあり、和文タイプライタが幅をきかせていた。それから専用機が各社から販売され値下げ競争、汎用パソコンでも文書作成が可能になり、日本語作成の機械化が達成された。
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 低価格競争に入った頃、8ビットのCPUを使ったパソコン、ワープロ専用機は、コストとCPU能力に果敢に挑戦した。専用機は、液晶1行表示のタイプライタに近い機種が登場し、メモリの制約からかな漢字変換は単漢字変換か熟語変換、文章の保存はカセットテープと今からすれば手間がかかる代物であった。

 仮に、かな漢字変換が完成しなかったらというより、ワープロの事始めが、東芝ルポの説明書によれば、外国の新聞記者のように記事作成にタイプライタを軽やかに使っている姿を見て、ああいうかっこうよく記事作成ができる機械ははこしらえられないかという要望があったため、必然的に生まれてきた。
 もし生まれなかったら、和文タイプライタのように、広い盤面に漢字の一覧表を探して入力するか、計算機での漢字処理をあきらめ、カタカナ・ひらがなと年月日の一部漢字だけをキーボードで入れる方法の現在があったとも考えられる。日本語のローマ字化またはカナ専用派の組織が勢力を強め、もしかしたら漢字制限から廃止の方向に進んでいたとも思われる。よい例が、朝鮮半島の二国家の言語が、ハングル専用になり、漢語の同音異義語の判断が文脈で判断してはじめて理解できる状況に陥っている。

 日本語で通常使用する文字すべてをコンピュータを使って発信できるようになった。問題は、公衆に不謹慎な情報を発信してしまう人々が散見されるようになった。当時の技術者が、バカッターと言われるツィッターを使った不謹慎・不道徳な情報を発信するなどと予想していただろうか。

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 ワープロ登場から35年。技術も成熟した。新しい技術に進むと同時に、今の若い世代も先人の努力を受け継ぎ、電子立国、ものづくり日本の名前を取り戻すには、使い方の教育を、学校教育で受験五教科と同等に教える必要がある。バカッターがさらに蔓延し、道徳よりおもしろさが優先した場合、そのときはこの国の技術は終焉に等しい。