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2013-10-17

【ファミコン30周年記念】学習まんが《おもしろマイコン》~欲しかったぴゅう太

 昭和58年初版学習まんがふしぎシリーズNo.36《おもしろマイコン》(小学館・監修:電気通信科学館 川崎愼一 構成・執筆 :マイコン:ファミリー 漫画:山田ゴロ(敬称略))を読みかえす。

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 マイコンの仕組みは、入力・演算・出力・制御、演算処理装置・主記憶装置の簡単な説明で終わり、トミーが発売した、《ぴゅう太》、NEC《PC- 6001mkII》の特徴、テレビとの接続方法、ゲームカートリッジとコントローラの操作方法、ゲームの遊び方、PC-6001mkIIの簡単な BASICプログラムリストが掲載されている。
 裏表紙には当時の8ビットホビーパソコンのカタログが写真入りで紹介されている。(シャープ MZ-700 セガ SC-3000など)
 マイコンの仕組みと言うより、 ぴゅう太・PC-6001mkIIのプレゼンテーションという学習漫画。

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【写真】ぴゅう太ゲームカートリッジ ボンブマン操作説明

 ここではぴゅう太の話。トミーが16ビットグラフィックコンピュータ、日本語BASICを全面にだし59,800円で発売したホビー用パソコン。当時高校生だった私も16ビット・日本語プログラミングという売りに欲しかった。

 働いて稼げなかった(バイトは禁止)ので、お年玉を貯金しても到底届かなかった。親に将来役立つからとせがんだ。おもちゃ売り場で、それもゲーム機にキーボードを取り付けたような印象では、おもちゃと見られてついに入手はできなかった。

 紹介した漫画にスペックが紹介されている。(28頁写真)
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 CPU:TMS9995。漫画未掲載の画面表示プロセッサはTMS9918MSXに使われた石である。ともにテキサス・インスツルメンツ社の石である。16ビットプロセッサがいかに素晴らしいかという部分が26頁に表現されている。(下記写真)

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 漫画にかかれたコンピュータはまさに汎用機(ミニコン)そのもの。半導体メモリが高かった時代にせよ、ROM20KB RAM16KBでは、OSを走らせて趣味に実用に使える等とはお世辞にも言えない。なお、TMS9995はTMS9900のデータバスを8本にしたCPUである。

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  Wikipeadia等の資料によれば、売りの日本語BASICも、ゲーム背景作成画面と組み合わせて、ゲームを作るために特化された仕様で、英語の 命令を日本語(カナ)に置き換えただったという。学習漫画では、PC-6001mkIIのプログラミングリスト(簡単な数当てゲーム、乱数を使った計算問 題、効果音出力プログラム)が掲載されているが、ぴゅう太のそれはない。66頁に5+8を計算して出力するプログラミング例が載っているだけだ。
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10 A=5+8
20 カケ100,A
30 オワリ


 PRINTカケENDオワリ。単語の置き換えだけと伺える。ぴゅう太の説明はゲーム背景画面の説明、背景作成後の保存方法、代表的ゲームカートリッジそれにテレビとの接続の仕方に重点を置いている。

 そのマシンを使ってコンピュータの世界に入った人もいる。続いて漫画に取り上げらたPC-6001mkllの性能・作りに比べればゲーム専用機(おもちゃ)である。もし、高校生のときにこの漫画を読んでいたら、84,800円のPC-6001mkIIを欲しくてたまらなかったと思う。ぴゅう太の価格に あと2万数千円だせば、手に入った。

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【写真】PC-6001mkII プログラムリストより

 ぴゅう太もファミコンに破れさったゲームマシン。ゲーム機にキーボードではなく、メモリを増やして日本語構文で記述できるBASIC、当時は負担が重かった、日本語処理できる機能をつけていればまた違った運命をたどったかもしれない。

日刊NANZO
平成22年10月31日号 一部修正